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樋口一葉「たけくらべ」30

美登利は何ゆゑとなく懷かしき思ひにて違ひ棚の一輪ざしに入れて淋しく清き姿をめでけるが、聞くともなしに傳へ聞く其明けの日は信如が何がしの學林に袖の色かへぬべき當日なりしとぞ。

(明治二十八年一、二、三、八、十一、十二月、二十九年一月
「文學界」 明治二十九年四月「文藝倶樂部」一括掲載)

〔終〕